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相談できない・苦手な人にやってほしい3つの相談方法
更新日:2019年12月17日

FRENS(ふれんず)のサムです。
誰かに相談するのってむずかしいですよね。
「うまく説明できる自信がない」
「どうせわかってもらえないと思う」
「自分の弱みを見せるのが怖い」
「身近な人に迷惑をかけたくない」
こんな風に思って、相談するのをあきらめたり、自分だけで抱え込んでしまったりすることがあります。
その結果、さらに状況が悪くなってしまったり、より相談するのがむずかしくなったりすることもよくあることです。
誰かに相談するのはむずかしいことですが、様々な方法や工夫を試してみて、自分にとって相談しやすいやり方を見つけることはできます。
今回は、相談できない理由を考えた上で、FRENSが行っている相談支援の経験をもとにして、相談のやり方を3つご紹介します。
●目次
1.相談できない理由
1-1.理由①うまく説明できる自信がない
1-2.理由②どうせわかってもらえない
1-3.理由③話してもしょうがない、ムダだ
1-4.理由④弱みを見せるのが怖い
1-5.理由⑤迷惑をかけたくない
1-6.理由⑥相談に関する嫌な経験がある
2.相談できない人の、相談方法
2-1.相談機関にアクセスしてみる
2-2.電話相談にかけてみる
2-3.身近な人に話を聞いてもらうには
3.まとめ
1.相談できない理由
相談できない・難しい理由はいくつか考えられます。
あなたの場合はどれが当てはまるでしょうか。
1-1.理由①うまく説明できる自信がない
悩みや不安を言葉にして伝えるのは簡単なことではありません。
漠然とした悩みや不安の場合もありますし、状況が複雑で、1つ1つ解きほぐしながら言葉にしないと説明できないこともあります。
うまく説明できなくて、誤解されてしまったり、「あなたが悪いんじゃないの」などと責められてしまったりしたらどうしよう…と考えると、相談しづらいですよね。
1-2.理由②どうせわかってもらえない
「こんな小さなことで悩んでいるのは自分だけだ」
「立場や状況が特殊だから、きっと理解してもらえない」
こんな風に思って、わかってもらおうと努力すること自体をめんどうに感じることがあります。
自分が置かれた状況を整理して、相手に伝わるように話すのには労力がいります。
「ただでさえ辛いのに、そんなに頑張れないよ…」
と思ってしまいますよね。

1-3.理由③話してもしょうがない、ムダだ
理由②と一部被りますが、そもそも相談したところで変わらない・どうしようもない現実ってありますよね。
「家族のことで問題を抱えているけれど、自分はまだ未成年だからこの家を出られないし、誰かに相談したところでどうにもならない」
「学校や会社のことで不安でいっぱい。でも辞めることはできないし、相談するだけ時間のムダだ」
たしかに、相談しても解決しないことはあります。
でも、誰かに話を聞いてもらうだけで気が楽になったり、すこし状況を冷静に見ることができるようになったりします。
また、自分1人だけでは得られなかった気づきを得られることがあるかもしれません。
1-4.理由④弱みを見せるのが怖い
誰かに相談するということは、自分の弱みを見せるということです。
だからこそ、相談をする前に、相手は信頼に足るのかどうか判断しますよね。
しかし、信頼できる相手が周りにいなかったり、信頼していいのかどうか判断しづらかったりすると、相談するのは難しいでしょう。
中には、「誰であっても、自分の弱みを見せたくない」という人もいるかもしれません。
弱みを見せることは情けないことだ、負けだ、という考えです。
その気持ち、分かります。
あとでご紹介しますが、「弱みを見せたくない」という気持ちが強い人には、あなたがどこの誰なのかを言わなくてもいい電話での相談は話しやすいかもしれませんね。
1-5.理由⑤迷惑をかけたくない
「ひとに迷惑をかけてはいけません」と叱られたこと、ありませんか?
日本では、誰かに迷惑をかけることは悪いことだというイメージが強くあります。
しかし、実際には、人はみなお互いに頼りながら、迷惑をかけあいながら生きているように思います。
誰かに迷惑をかけることは、悪いことではありません。
1-6.理由⑥相談に関する嫌な経験がある
「勇気を出して相談したら、なぜか叱られてしまった」
「ちゃんと話を聞いてもらえなかった」
「『大したことない』と言われた」
「信じてもらえなかった」
このような苦い経験があったせいで、誰かに相談するのが怖いという人もいるでしょう。
私もこのような経験が多々あります。
「せっかくがんばって相談したのに、ひどい」
「もう誰にも相談したくない。誰も信じられない」
などと思い、ショックでたまりませんでした。
でもやっぱり、悩みや不安を1人で抱え込むのは限界があり、カウンセリングに行って話をしたり、信頼できる友人を頼ってみたりしました。
あなたの話に耳を傾けてくれる人は必ずいます。
どうか諦めずに、探してみてください。

2.相談できない人の、相談方法
ここまで、相談できない理由を見てきました。
これらの理由は、育った環境や人間関係、これまでの経験によってつくられた部分が大きく、すぐに改善できるものではないかもしれません。
とはいえ、このコラムを読んでいる人の中には、いままさに大変な状況にある人もいるでしょう。
そんなあなたへ、いくつかできることをご紹介します。
2-1.相談機関にアクセスしてみる
行政や民間の団体が、相談サービスを提供している場合があります。
初対面の人に相談するのは気が引けるかもしれませんが、逆に、日常的な関わりがないからこそ話しやすかったり、弱みを見せても構わないということも考えられます。
専門的な知識を持っているところだったら、うまく説明できなくても分かってもらえたり、よいアドバイスをもらえたりする可能性はグッと上がります。
また、身近な人相手だと「迷惑をかけてしまうかも」と気が引けてしまう人にとっても、仕事としてやっている相談員相手だったら、相談しやすいかもしれません。
対面での相談を受け付けているところもあれば、電話での相談を受け付けているところもあります。
「○○(相談したいこと) 相談」「○○ 相談 (地域名)」などで検索するか、地域のホームページなどをチェックすると情報が得られるでしょう。
2-2.電話相談にかけてみる
対面で相談するのが難しかったら、電話での相談はいかがでしょうか。
自分の部屋や、落ち着ける場所から相談できるし、「もう話したくない」と思ったら電話を切ることもできます。
「どんな風に話をするんだろう」
「なんて切り出すんだろう」
と、不安に思うかもしれません。
そんなあなたへ、電話が繋がったあと、どんなやりとりをするのかイメージをつくってみました。

もちろん、「どのように話し始めるか」は人それぞれなので、必ずこんな風に話さなきゃいけないというわけではありません。
あくまで、話し始めのイメージをもってもらうための一つの例です。
この画像でお伝えしたいのは、相談をするとなると、「きちんと説明できるように準備しないと」と身構えてしまいますが、その必要はないのだということです。
相談員と話をしていくうちに、困っていることや悩みごとの輪郭がハッキリしていきますよ。
誰かに相談するのは緊張しますが、あまり身構えずに電話をしてみてください。
2-3.身近な人に話を聞いてもらうには
「やっぱり、初対面の人に相談するのは難しい」という場合、家族や友人など身近な人に相談することになるでしょうか。
日常的な関わりがある人相手だと、弱みを見せづらかったり、迷惑をかけたくないと思ったりして難しい部分があるかもしれません。
それでも、信頼できる人が身近にいるのだったら、相談してみることもアリだと思います。
その際、以下の点に気をつけて話してみてください。
・もし、あなたが「アドバイスがほしい」とか、「アドバイスっていうより、ただ話を聞いてほしい」と思っている場合は、最初にそれを伝えてみる。
・相手が忙しいときは避け、時間があるときを狙って話をしたり、「相談したいことがあるんだけど、話せるときってある?」と確認したりする。
・(必要だったら)ここだけの話にしてほしい、と伝える。

3.まとめ
誰かに相談するのは、最初は怖いし、緊張することです。
でも、誰かに話を打ち明けたり、打ち明けられたりするのは、苦痛なだけではありません。
相談をすることで関係が深まったり、ホッとしたりすることもあります。
身近な人に相談するのが難しい場合は、行政や民間の団体がやっている相談機関にアクセスしてみてください。
移動するのが大変だったら、電話相談もあります。
相談の専門家に頼ってみてください。
さて、私たちFRENSは、LGBTQ+ユース(子ども・若者)の支援をしている任意団体です。
LGBTQ+の子ども・若者や、そのまわりの大人を対象に、相談支援などを行っています。
毎週日曜17:00~21:00は、電話相談を実施しています。
詳しくは電話相談(フレンズライン)のページをご覧ください。
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