
FRENS(ふれんず)のサムです。
友達からカミングアウトを受けたあなたは、次のようなことに困っていませんか?
何をしてあげればいいか、自分に何ができるのか分からない
自分の発言で友達を傷つけてしまうかもしれないと思うと、話しづらい
一人で抱えきれなくて、しんどい
初めてカミングアウトを受けた場合、困惑してしまうのは仕方がないことだと思います。
でも、闇雲に困惑してしまったり、せっかく信頼してカミングアウトしてくれた友達を傷つけてしまったりするのは、できることなら避けたいですよね。
今回は、友達からカミングアウトを受けたときにあなたにできることを紹介します。
<目次>
1.前提:あなたは信頼されています
2.あなたにできること
2-1.知っておく・分かっておく
2-2.それ以上のことを期待されているかもしれないと思ったら
2-3.LGBTに対するからかいや差別的な発言を見聞きしたとき
2-4.「まったく触れない」はちょっと嫌な感じ
2-5.あなたの気持ちを伝えてみる
3.やってはいけないこと
4.まとめ

1.前提:あなたは信頼されています
そもそもなぜカミングアウトをするのでしょうか?
それは、この社会では、「産まれたときに割り当てられた性別のまま(性別違和を持たずに)成長して、異性を好きになる男女」の存在しか想定されていないからです。
性別違和があったり、体の性別を変更したり、同性を好きになったりするひとの存在は無いことにされています。
だから、自分のことを誰かに知ってもらったり、身の回りの環境を整備したりするためには、カミングアウトが求められることがあるのです。
カミングアウトは、ときに容易なことではありません。
「普通」じゃないとされている性のあり方を自分自身で受け止めて、それを誰かに打ち明けるということは、大変な作業なのです。
ゆえに、友達からカミングアウトを受けたあなたは、その大変な作業をするにあたって、友人や仲間として信頼されていると言えるはずです。
LGBTに偏見があるようだったり、人権や差別の問題を大事にできていなかったりするひとには、よっぽどのことがないとカミングアウトはしないでしょう。

2.あなたにできること
さて、それではあなたにできることは何でしょうか。
一概には言えないかもしれませんが、原則として言えることもあるかもしれません。
2-1.知っておく・分かっておく
信頼できる友達であるあなたに、自分のことを知っておいてほしい。
分かっていてほしい。
求めているのは、ただそれだけかもしれません。
「具体的にどうしてほしいということは(まだ)無いけど、それだけで十分だよ」というひともいるでしょう。
2-2.それ以上のことを期待されているかもしれないと思ったら
知っておく・分かっておくだけじゃなくて、もっと何か期待されているんじゃないか?と思うひともいるかもしれません。
その場合、シンプルに、その友達に「どうしてほしい?」「どうすればいい?」と直接尋ねてみてはいかがでしょうか。
すぐに答えが出ないかもしれないので、待ってあげる必要があるかもしれませんが、もし何かしてほしいということがあれば、本人の意思を直接確認するのが確実でしょう。
2-3.LGBTに対するからかいや差別的な発言を見聞きしたとき
友達とあなたが一緒にいる場で、LGBTに対するからかいや差別的な発言を見聞きすることがあるでしょう。
そういうときに、どうか同調したり一緒になって笑ったりしないでください。
たった1人でも、からかいや差別に同調しないひとがいれば、その友達は救われるかもしれません。
その場で反論したり指摘したりする必要はありません。
ただ、次のようなことをやってみるだけでも十分でしょう。
一緒になって笑わない
無表情でいる
ちょっと首を傾げてみる
話題を変えてみる
2-4.「まったく触れない」はちょっと嫌な感じ
カミングアウトしてくれた友達を傷つけたくないために、LGBTに関する話題を避けてしまうことがあります。
「何が地雷なのか分からない」と思って、つい口を閉ざしてしまうのです。
でも、友達からすると、「せっかくカミングアウトしたのに…」「受け容れてもらえていないのかな…?」と思うかもしれません。
もちろん最初からうまく話す必要はありません。
分からないことは質問してみたり、本を読んで勉強してみたりしてもいいのです。
間違ったことを言って友達を傷つけてしまった場合は、「ごめんなさい」と謝ればいいのです。
よっぽどひどいことじゃない限り、それで関係が終わるということはないでしょう。
2-5.あなたの気持ちを伝えてみる
「信頼されているようで嬉しい」
「理解したいけれど、傷つけるようなことをしてしまわないか心配」
など、カミングアウトを受けたあなたの気持ちを相手の友達に伝えてみるのもいいかもしれません。
あなたの気持ちを聞けたら相手も安心するかもしれないし、相手のそのときの気持ちや意向を聞かせてくれて、そこから関係が深まることもあるでしょう。
また、前節のように「どんなことを話したらいいか分からない」というひとにも、これはオススメです。

3.やってはいけないこと
絶対にやってはいけないことがあります。
それは、「アウティング」と呼ばれるような行為です。
前述したように、カミングアウトは大変な作業であり、決して容易なことではありません。
信頼できる相手を選び、決死の思いでカミングアウトするひとも少なくありません。
なのに、その友達がLGBTであることを誰か別のひとにバラしてしまう。
このような行為が「アウティング」です。
カミングアウトを受けたあなたは、きっと信頼に足る人物でしょうから、このような行為はしないことでしょう。
でも、例えば「信頼してカミングアウトしてくれたのは嬉しいけれど、正直、重い」「誰か別のひとと共有しないと、受け止めきれない」と考えて身近な人に相談したら、それが共通の知り合いの場合、誰のことなのかわかってしまって、アウティングにつながってしまうようなことがあるかもしれません。
そういうときは、公的な相談機関にアクセスしてみてはいかがでしょうか?
例えば、匿名で話を聞いてもらえる「電話相談」があります。
FRENSでも毎週日曜の夜に電話相談(フレンズライン)を受け付けていますので、ぜひ電話をかけてみてください。

4.まとめ
いろいろなことを書きましたが、一番大事なことは、「私に何ができる?何かしてほしいことある?」「こういうときってどうすればいい?」と直接聞いてみることかもしれません。
あなたはその友達にきっと信頼されているのでしょうから、そのような質問をしたところで関係が壊れるはずがなく、むしろ「ちゃんと考えてくれている」「味方でいようとしてくれている」と、より信頼関係が増すかもしれません。
あまり重く考えすぎずに、いろんなことを話してみて、関係性を深められるといいですね。
ただし、これはいくら強調しても強調しすぎることにはなりませんが、アウティングは絶対にやってはいけません。
信頼関係を破壊するだけでなく、その友達を大変な目に遭わせてしまう危険性があります。
それだけは注意してください。
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