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LGBTのみんな、恋バナふられたときって、どうしてる?【新生活やり過ごし術】

更新日:2020年4月5日



FRENS(ふれんず)のサムです。


4月に入り、新生活が始まったひとも多いのではないでしょうか。


さまざまな期待や不安があるかと思いますが、この時期は環境や人間関係が変わり、それにともなって恋バナが増える時期でもありますよね。


恋バナを楽しめるひともいる一方で、楽しめないひともいます。苦痛を感じるひともいますよね。


ぼくはゲイで、カミングアウトをしていなかった高校生のときは、はぐらかしたり、嘘をついたり、話を合わせてみたりと、いろんな「やり過ごし術」を使っていました。大変でした。


そこで今回は、LGBTQ+ユース(子ども・若者)のみんなが、恋バナをふられたときにどんな「やり過ごし術」を使っているのか、ご紹介します。


いろいろな「やり過ごし術」があって、どれが正解というものではありません。あなたに合った「やり過ごし術」を見つけられるといいなと思っています。




 

<目次>

1.アンケートを実施しました!

2.みんなの「やり過ごし術」

 2−1.やり過ごし術①答え方はいろいろ

 2−2.やり過ごし術②答えないのもアリ

 2−3.やり過ごし術③そもそも聞かれなかった

 2−4.やり過ごし術④聞かれないようにした

おわりに


 




1.アンケートを実施しました!

今回、LGBTQ+ユースみんなの「やり過ごし術」を教えてもらうために、アンケートを実施しました。


すると、なんと、104人ものLGBTQ+ユースに回答してもらえました。年齢やセクシュアリティ、ジェンダー・アイデンティティなど多様な背景を持ったひとの声をお寄せいただいて、とってもタメになりました。


本当にありがとうございました!


アンケートでは、恋バナのほかに、「性表現についてとやかく言われたときにどうするか」という質問もしました。その回答については、下記のコラムでご紹介しましたので、合わせてお読みください。



さて、それでは次章からみんなの「やり過ごし術」をご紹介していきます!



2.みんなの「やり過ごし術」

LGBTQ+ユースのみんなは、恋バナをふられたときにどんな「やり過ごし術」を使っているのでしょうか?


本来的には、「やり過ごし術」を身に着けることよりも、あらゆるセクシュアリティのひとが恋バナをできて、したくないひとは恋バナをしなくていい、そんな社会に変えていくことが必要だと思います。でも、社会はそう素早くは変わってくれないし、とりあえずは、いまこの瞬間をやり過ごすための方法が必要なときもあるのだと思います。


いただいた回答を、19のカテゴリーに分けてご紹介します。


※アンケートの性質上、内容を誤解してしまっていたり、意図をちゃんとくみとれていなかったりしていたらごめんなさい。




2−1.やり過ごし術①答え方はいろいろ

1.性別と結びつかないところを答える

性格や考え方など、性別と結びつかないところを答えるやり方です。

例)

・穏やかな人(21歳、バイセクシュアル、Xジェンダー)

・「笑顔が素敵な子」と正直に答えていた。男女当てはまるように(16歳、パンセクシュアル、トランス男性)



2.性別をかくして答える

好きなタイプや好きなひとのことを、性別の部分だけかくして答えるやり方です。

例)

・相手の性別などを曖昧にして答えていた(17歳、バイセクシュアル、シス女性)

・背の低い人、可愛いタイプの人、などどちらともとれる(相手が私を異性愛者だと思ってくれる)ように答えていました(24歳、レズビアン、シス女性)



3.事実の一部だけを伝える

バイセクシュアル・パンセクシュアルのひとが、異性のタイプ”だけ”を言ったり、ゲイのひとが以前好きだった女性の特徴を言ったりしてやり過ごすようなやり方です。

例)

・好きな異性のタイプだけ言う(18歳、パンセクシュアル、シス女性)

・当時はバイセクシャルと自認していたため、好きになる”異性”のタイプを答えていました(21歳、クエスチョニング)

・指向に気がついたのは中学生からだったので、その時に好きだった女生徒の特徴をなんとなく言っている(18歳、ゲイ、シス男性)



4.芸能人やアニメキャラを答える

恋愛対象かどうかはハッキリさせずに、ただ好きな芸能人やアニメキャラを答えるというやり方です。

例)

・恋愛感情ではなく単に好きな俳優さんを答えていた(24歳、レズビアン、シス女性)

・好きなアニメキャラを答えてました(23歳、アセクシュアル、トランス男性)



5.カミングアウトする

恋バナをふられたタイミングでカミングアウトをするという回答もありました。

例)

・性的少数者の1人なんだ、って言うことを告げてました(20歳、バイセクシュアル、トランス男性)

・カミングアウトしていいと思った人ならその時に伝える。流したいなと思ったら特にないということにする(22歳、ヘテロセクシュアル、トランス男性)



6.まわりに合わせる・あたりさわりのない回答をする

なんとなく話を合わせておいたり、「優しいひと」などあたりさわりのない回答をしたりするやり方です。

例)

・面白い人優しい人と当たり障りないことを言ってその場を凌いでいました(24歳、ポリセクシュアル、Xジェンダー)

・かっこいい人、など、本当ではないけど嘘をついているわけでもないギリギリのラインを攻めつつ、周りに合わせる(23歳、レズビアン、シス女性)

・優しい人とか適当に言ってた(20歳、アセクシュアル、Xジェンダー)



7.「興味ない」

アセクシュアルのひとが「恋愛には興味ない」と言ったり、本当は興味があるけど嘘をついたりするやり方です。

例)

・興味ない、と言ってかわす(21歳、アセクシュアル)

・あんまりそういう話に興味がなくて(23歳、パンセクシュアル、クエスチョニング)

・恋愛に興味がないと言って貫いていた(23歳、ゲイ、Xジェンダー)


※アセクシュアルのひとが「恋愛には興味ない」と言うときは、それがカミングアウトである場合もありますが、今回は「興味ない、と言ってかわす」なので、意図的にはぐらかしていると受け取りました。



8.ウソをつく

まったくウソのタイプや理想像をつくりだすやり方です。

例)

・仮の(嘘の)タイプを作っていた(24歳、アセクシュアル、Xジェンダー)

・よくある理想の男性像を語る(18歳、クエスチョニング、シス女性)



9.いないことにする

本当は好きなひとがいるけれど、いないことにしてやり通す方法です。

例)

・好きな人がいても、いないことにしています。たまに話すけど、男性ということにしていました(20歳、レズビアン、シス女性)



10.「好きになったひとが好き」

具体的なところは答えずに、「好きになったひとが好き」と答えるやり方です。

例)

・好きになった人がタイプ(22歳、レズビアン、シス女性)

・好きになった人が好きだよwwと言って誤魔化している(14歳、Xジェンダー、クエスチョニング)



11.性別をおきかえて話す

好きなタイプや好きなひとのことを、性別だけをおきかえて話すやり方です。

例)

・好きな女性のタイプを男性に置き換えて話す(20歳、クエスチョニング、トランス女性)



12.「わからない」

正直に「わからない」と答えたり、ごまかすために「わからない」と答えたりするひともいました。

例)

・「わからない」と答える(17歳、パンセクシュアル、クエスチョニング)

・「わからない」と答えることが多い(20歳、グレイセクシュアル)

・わからない(16歳、ゲイ、トランス男性)



13.その他

その他にもいろんな答え方を教えてもらいました。

例)

・お金持ちの人ってふざけて言ってました(18歳、トランス男性)

・「人間として」という枕詞をつける(22歳、バイセクシュアル、Xジェンダー)

・好きな人間のタイプを考えて答える。あるいは「あんまり決めてない」「恋愛経験がない」と答える(22歳、クエスチョニング、シス女性)

・普通に答えている。自認は男でもゲイなので普通に対応される(14歳、ゲイ、トランス男性)




2−2.「やり過ごし術」②答えないのもアリ

14.はぐらかす

恋バナには乗らずに、はぐらかすやり方です。

例)

・はぐらかしてた(23歳、レズビアン、シス女性)

・はぐらかす(19歳、アセクシュアル、Xジェンダー)



15.流す・スルーする

恋バナをテキトーに流したりスルーしたりするやり方です。

例)

・適当に流してた(19歳、トランスヴェスタイト、シス男性)

・上手く誤魔化す(17歳、レズビアン、Xジェンダー)



16.黙る・聞き役

黙ってしまう、聞き役にてっするというのもやり方の1つです。

例)

・大体グループ内でその話が出るので私は黙ってました。仲良くてカミングアウトした仲間の中では正直なことが言えました(17歳、レズビアン、Xジェンダー)

・聞くだけ(19歳、レズビアン、Xジェンダー)



17.質問返し

答えられなかったり答えたくなかったりする場合は、質問返しで切り抜ける方法もあるみたいです。

例)

・笑ってごまかす。それか疑問形でどんな人が好きだと思う?って聞く(17歳、クエスチョニング、Xジェンダー)

・○○さんは?と相手に聞き返すカウンターの姿勢で会話していました(20歳、ノンセクシュアル、Xジェンダー)



2−3.「やり過ごし術」③そもそも聞かれなかった

18.聞かれなかった

そもそも恋バナをふられずに過ごしてきたひともいるみたいでした。昔ほど恋バナって「絶対」ではないのかもしれませんね。

例)

・みんな何となくそういう話は振ってこなかったです(16歳、パンセクシュアル、Xジェンダー)

・恋バナをふられたことはないが、ないと答えたと思う(22歳、Aセクシュアル、シス女性)



2−4.「やり過ごし術」④聞かれないようにした

19.聞かれないようにした

恋バナにならないようにほかの話題をふったり、「聞いてこないでね」とオーラでお知らせしたりするやり方です。

例)

・趣味の話ばっかりして恋愛の話を振られないようにする(24歳、ヘテロノンセクシャル、シス女性)

・聞いてくるなオーラを出してた笑(22歳、ゲイ、シス男性)




おわりに

こんなにもいろんな「やり過ごし術」があったとは、驚きでした。


アンケートに回答してくれたLGBTQ+ユースのみんな、改めてありがとうございました。


今回は、「新生活を少しでもいい感じにスタートしてもらえたらいいなぁ」という思いで、この「やり過ごし術」のコラムを用意しましたが、本当は「やり過ごし術」なんて必要ない、セクシュアリティに関わらず恋バナができて、恋バナをしたくないひとや恋愛をしないひとは恋バナをしなくていいような社会であるべきで、私たちはそんな社会を目指しています。


やり過ごしていても、少しずつ疲れていったり、ひとづきあいを難しく感じたりすることもあるかもしれません。そんな時は、以下でご紹介する電話相談に電話してみるのもいいかもしれません。


フレンズライン(電話での相談)

080-9062-2416 (日曜日 午後5時〜9時)

チャイルドライン(チャット*/電話での相談)

0120-99-7777 (毎日 午後4時〜9時)


よりそいホットライン(電話での相談)

0120−279−338(毎日 24時間)



付録:回答者のジェンダー・セクシュアリティ
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